相続手続きの費用は誰が払う?不動産相続の税金・登記費用を整理

不動産を相続するときは、名義変更の税金や戸籍の取得費、依頼した専門家への報酬がかかります。相続税の有無も、正味の遺産額と法定相続人を基に確認します。

費用は「誰が先に支払うか」と「最終的に誰が負担するか」を分けて整理しましょう。遺産から出す費用、取得した人の負担、共同で依頼する費用を、支出前に相続人間で確認しておくと精算の行き違いを減らせます。

不動産の相続にかかる費用の一覧

税金・証明書代と、依頼先への報酬を分けて見積もります。下記の負担欄は精算を話し合う際の確認事項です。全員が同額を払うと決まっているわけではありません。

相続手続きの費用と負担を確認するための表
費用金額・計算の目安支払い・負担の確認出典
相続登記の登録免許税原則、固定資産課税台帳の価格×0.4%(免税措置あり)取得者・共同申請者で負担を確認国税庁:登録免許税の税額表
戸籍・除籍等の取得費窓口交付の例:戸籍1通450円、除籍・改製原戸籍1通750円。必要通数による取得する人が支払い、共通分は精算を相談港区:手数料一覧(窓口交付)
司法書士報酬依頼内容・不動産や相続人の数による個別見積もり。実費と区分して確認依頼者が支払い、共同負担は事前に合意日本司法書士会連合会:司法書士の報酬
相続税正味遺産額から基礎控除を引いて計算。取得割合や特例・控除で変わる財産を取得した各人の納税額を確認国税庁:相続税の計算

税理士・弁護士への報酬も、財産調査、申告、交渉など依頼する範囲をそろえて個別に見積もりを取りましょう。相談料・追加報酬・消費税・実費の有無を契約前に確認してください。

相続税が発生するか気になる方は、相続税シミュレーションで基礎控除と概算税額を確認してから、納税資金と手続き費用を分けて準備しましょう。

出典確認日:2026年10月17日。登録免許税の免税要件・適用期限、証明書の交付方法や手数料は各窓口でご確認ください。報酬は全国一律ではありません。

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1.相続手続きの費用は誰が払う?

遺産から払う場合:民法885条は相続財産に関する費用をその財産から支払う旨を定めています。ただし、相続人の過失による費用は別です。各人の専門家費用まで一律に遺産から払えるという意味ではなく、費用の性質や依頼内容の確認が必要です。

相続人が負担する場合:個人で依頼する相談・交渉費用は、まず依頼する本人が支払条件を確認します。不動産取得に伴う登記費用や全員で依頼する申告・書類収集の費用は、誰が負担するかを依頼前に話し合いましょう。相続税は各人の取得額に応じて税額を配分し、各種軽減・控除を適用して求めます。

遺産から共通費用を精算する合意をする場合は、対象の費用、負担割合、立替者、領収書の共有方法を文書に残しましょう。法定相続分どおりの割り勘と決めつけず、合意できない場合は弁護士等に確認してください。

2.遺産分割前に支払うときの注意点

遺産分割前の預貯金を、共通費用だからと自己判断で引き出すことは避けましょう。分割前の預貯金の払戻しには民法909条の2の制度等がありますが、範囲や金融機関の手続きの確認が必要です。

代表者が立て替える場合も、支払先・用途・金額を一覧にして領収書を保管し、いつ、どの財産から精算するかを確認します。相続放棄を検討中の方は、遺産を使う前に弁護士等に相談してください。

3.不動産相続の登記費用と専門家報酬

登録免許税は原則として固定資産課税台帳の価格に0.4%を掛けます。免税措置が適用されない価格2,000万円の不動産なら8万円です。不動産の売却相場や相続税評価額をそのまま使うものではありません。

司法書士への報酬、戸籍等の実費は別にかかります。報酬は依頼者との合意で決まるため、不動産の数、戸籍収集の範囲、遺産分割協議書の作成の有無を伝えて、見積もりの内訳を確認しましょう。

4.相続税と、相続後に不動産を売る費用は分けて準備する

相続税の基礎控除は3,000万円+600万円×法定相続人の数です。課税対象の確認には、財産評価や贈与・債務等の調整が必要です。配偶者の税額軽減で納税額が0円になる場合も、その適用には申告が必要です。

申告・納税の期限は原則として死亡を知った日の翌日から10か月以内。不動産を売って資金を準備する場合は、売却にかかる時間と費用も見込みます。

仲介手数料、測量・解体を依頼する場合の費用、譲渡所得への税金などは相続手続きの費用とは別です。発生する項目と見積もりを不動産会社・税理士に確認してください。遺産から支払えることと、相続税計算で債務控除できることは別の問題です。

費用負担・申告についての出典

民法885条・909条の2(e-Gov)、国税庁「相続税の申告と納税」、「配偶者の税額の軽減」、「相続財産から控除できる債務」

確認日:2026年10月17日。個別の負担関係は契約・相続の状況で異なります。税務は税理士、負担を巡る争いは弁護士等へ確認してください。

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よくある質問

Q.代表者が立て替えた費用を後で精算できますか?

A.共通費用の対象・負担割合・精算時期を事前に合意し、領収書を保管しましょう。代表者が払ったという理由だけで全額を遺産から引けるとは限りません。合意できない場合は弁護士等に確認してください。

Q.不動産しかなく、手続き費用を払う現金がない場合は?

A.支払時期の相談、相続人間で合意した立替、売却による資金準備などを検討します。売却の可否や必要期間を確認し、納税期限に間に合わない見込みなら早めに税理士へ相談してください。

Q.相続税が0円なら申告も不要ですか?

A.財産評価や必要な加算・控除を確認した結果、特例を使わず基礎控除以内なら原則として不要です。配偶者の税額軽減や小規模宅地等の特例によって0円になる場合は申告が必要です。

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監修:雪下 智且(宅地建物取引士)

本ページは一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスではありません。 具体的な手続きについては税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。