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相続が発生したら何が起こるのか?最初に知っておきたいこと

「相続って何から始めればいいんですか?」——これが、相談でいちばん多い質問です。大切な人を亡くした直後から、手続きの嵐が押し寄せてきます。正直に言うと、順序が大切なのに、最初に何をすべきかを教えてくれる場所がほとんどありません。

まず全体像を把握するだけで、焦りがかなり和らぎます。難しいことは後回しにしていい。最初は「何が起きるか」を知るだけで十分です。

1.「相続人」は誰か確認する

民法で定められた「法定相続人」は、配偶者・子・親・兄弟姉妹の順番で決まります。配偶者は常に相続人で、それ以外は優先順位があります。

意外と見落としやすいのが、前の配偶者との間の子や、養子縁組の存在です。相続人の全員が確定しないと、次の手続きが一切進みません。まず親の戸籍謄本を取得して、法定相続人を確認することが最初の一歩です。

2.「何を引き継ぐか」をリストアップする

プラスの財産(不動産・預貯金・有価証券)だけでなく、マイナスの財産(ローン・借金・連帯保証)も相続します。負債が財産を上回る場合は「相続放棄」という選択肢があります。

ただし相続放棄の期限は「自分が相続人であると知ったときから3ヶ月以内」です。まずプラスとマイナス両方の財産を調べてから、放棄するかどうかを判断してください。判断を誤ると取り消せません。

3.期限のある手続きを把握する

相続の手続きには、法律で定められた期限があります。

・死亡届:7日以内(役所) ・相続放棄・限定承認:3ヶ月以内(家庭裁判所) ・準確定申告(故人の所得税):4ヶ月以内 ・相続税申告と納付:10ヶ月以内 ・相続登記(名義変更):3年以内(2024年から義務化)

特に10ヶ月の相続税期限は、納付が遅れると延滞税が発生します。全部一度に把握しなくていいので、まずこの5つの期限だけ覚えておいてください。

4.不動産があるときは早めに動く

不動産は現金と違い、売却に時間がかかります。「相続税を払うために不動産を売ろうとしたら、期限に間に合わなかった」という事例は実務でよく聞きます。

買い手を探す時間を逆算すると、相続開始から半年以内には動き始める必要があります。まずは不動産の状況(誰が住んでいるか、どんな状態か、評価額はいくらか)を早期に把握することが重要です。

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よくある質問

Q.遺言書が見つかった場合はどうなりますか?

A.法的に有効な遺言書があれば、原則として遺言の内容が優先されます。ただし自筆証書遺言は家庭裁判所での「検認」手続きが必要です。勝手に開封すると5万円以下の過料が科されることがあります。公正証書遺言はそのまま執行できます。

Q.相続人が複数いる場合、まず何をしますか?

A.まず全員の法定相続人を確認し、「遺産分割協議」を行います。相続人全員が合意して署名・押印した遺産分割協議書がないと、不動産の名義変更や銀行口座の解約ができません。一人でも欠けると無効になるため、疎遠な親族でも連絡をとる必要があります。

Q.遠方に住んでいて手続きが難しい場合は?

A.多くの手続きは委任状で代理人に依頼できます。司法書士や弁護士に依頼すれば、ほぼすべての手続きをまとめて任せることも可能です。郵送対応してくれる専門家も多いため、まず相談してみることをおすすめします。

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監修:雪下 智且(宅地建物取引士)

本ページは一般的な情報提供を目的としており、個別の法律・税務アドバイスではありません。 具体的な手続きについては税理士・司法書士・弁護士等の専門家にご相談ください。